頴原文庫

故潁原退蔵氏(1894-1948)は、明治27年2月1日長崎県に生れられ、東京高等師範学校をへて、京都帝国大学国文科を卒業された。昭和6年京都帝国大学助教授に就任せられたが、その後、病気のため退職され、京都帝国大学及び同志社大学の講師を勤められた。昭和22年5月文学博士を授与せられ、同23年4月から本学員外教授としてお迎えした。同年8月京都大学助教授になられ、つづいて教授に昇進せられたが同月30日逝去せられた。

著書には、俳諧史の研究、俳諧史論集、江戸文芸論考、芭蕉去来、蕪村、俳諧精神の探求、蕉門の人々、江戸時代語の研究、俳句周辺、芭蕉俳句新講、川柳雑俳用語考など50余あり、論文は600点をはるかに越えている。著書論文の詳細は「国語国文」(京都大学)第17巻9号(昭和24年1月)に掲載されている。

収集された蔵書は多数あったが、そのうち現代書約2,400冊が昭和26年本学に譲られた。なお、古典は京都大学文学部に、雑誌類は、大阪大学に収蔵せられている。

昭和38年9月1日発行:『関西大学所蔵:生田文庫・潁原文庫目録』51頁より転載
(所属は執筆当時のもの)