関西大学図書館では、新型コロナウイルス禍で、図書館への来館が難しいことから、「新入生に贈る100冊〔電子版〕を読んで関西大学図書館とつながろう!」キャンペーンを急遽実施いたしました。
「新入生に贈る100冊」を電子書籍で読み、感想を提出してくれた学生に図書館グッズを進呈するという企画でしたが、サプライズとして、著者や編集者の方から多くのメッセージをいただきました。ほんの一部ではありますが、ご紹介させていただきます。
〇『10代のための疲れた心がラクになる本』(長沼 睦雄著,誠文堂新光社)に関するメッセージ
敏感さは成長に伴い変化していきます。生まれ持った敏感さに関する遺伝情報も、環境の刺激で発現が調整されます。無理せず特性に合わせた環境で育つことができれば、敏感さは芸術性や創造性に生かすことができますが、そうでなければ身体性や精神性を乱すものになりかねません。敏感さが増強する背景には慢性のストレスが関係しています。その自覚がないまま長く過ごしていると、いつの間にか身体のホメオスタシスが破綻しかねません。その前に気づいて頑張りすぎや我慢しすぎを止めなければいけません。そのためには、「動き続けたら休む」「溜めたら吐き出す」ことを心がけることです。
十勝むつみのクリニック院長 長沼 睦雄氏
〇『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』(出雲 充著,ダイヤモンド社)に関するメッセージ
100冊の中から私の本を読んでくださりありがとうございます。
皆さんには、ぜひ「1番」にこだわっていただきたいと思います。
1番とそれ以外では、得られるものがまったく違います。
そして、1番になるためには「諦めずにやり抜くこと」が何よりも大切です。
学生生活の中で、自分の夢中になれること、そして1番を目指したいものを、様々な体験から見つけてみてください。
どんなにちっぽけなものでもいいんです。
目先の成功よりも、好きなことに没頭する時間ほど、面白くて大切なものはありません。
皆さんにとっての私のユーグレナが見つかるよう、心から祈っています。
株式会社ユーグレナ 出雲 充氏
〇『HAPPINESS ‐GAFA時代の人生戦略‐』(スコット・ギャロウェイ著, 東洋経済新報社)に関するメッセージ
本書を読んで「ご両親への感謝」に思い至ったとのこと、まったく「不自然」とは感じません。むしろ筆者の想いをしっかりと受け止めてくれて、嬉しく思います。
私は貴方のことを何も存じ上げません。ですが立派な大学生になり、浮かれることなく将来を見据えて読書をされているだけで、きっと貴方はご両親の「自慢の息子」です。「一つも恩返しができていない」どころか、すでにたくさんの「恩返し」をされているはずです。
それでも「もっと恩返しがしたい」と思うのであれば、ぜひ、大学でたくさんのことを学んでください。筆者も述べているとおり、GAFA時代はこれまで以上に「弱肉強食」の時代です。自らの居場所と経済的基盤を確立するのは、そう容易いことではありません。
だからこそ、今のうちにさまざまなことを貪欲に学んでほしいと思います。それが貴方の「HAPPNESS」につながりますし、貴方が幸せになることが、結局は貴方を支えてくれた皆様への最大の「恩返し」になるからです。
また本の感想を送ってくれたら嬉しいです。頑張ってください。
株式会社東洋経済新報社 出版局編集第2部 桑原 哲哉氏
〇『大人の語彙力大全』(齋藤 孝著, KADOKAWA)に関するメッセージ
社会人になりたての頃、社会人独特の言葉遣いに慣れるのに苦労し、たくさん怒られました。その経験から「大人」にとって必須となる、語彙とその言いまわしを1冊にまとめたのが本書ですので、学生の方に読んでいただき、お役に立てたようでとても嬉しいです。著者の齋藤先生は「語彙力は名著を読むことで磨かれる」と仰っていますので、これからも多くの書籍に触れていただきたいと思います。
株式会社KADOKAWA K・0氏