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2022/11/24

第6回本問答「恋愛小説の愉しみ方」を開催しました!

| by 図書館管理者

総合図書館では、1116日(水)3限に、「新入生に贈る100冊」からピックアップした1冊の本を深く掘り下げる企画「本問答」を開催しました。

 

6回となる今回は、小説家・脚本家の宇山佳佑さんを講師に迎え、「恋愛小説の愉しみ方~『ひまわりは恋の形』をメインテーマに読み解く~」と題した講演会を開催しました。

 

宇山さんは自己紹介のなかで、幼少期に架空の場面を想像して遊んだことが作品づくりの原体験となっていること、ドラマを通じて脚本家という仕事に興味を持ち始めた中学時代、よく本を読んだ高校生や大学生のころの読書歴を振り返りました。そして「読んだ本を棚に並べると、人生の歴史を一つひとつ重ねている感じがします。将来自分が悩んだり挫折したりしたときに、本が助けてくれる経験はきっとあります。心に残った本は手元においておくことをお勧めします」と読書に対する考え方を述べました。

 


恋愛小説の愉しみ方については、「恋愛小説として読まないことがいいのかなと思います。例えば『ひまわりは恋の形』のヒロインは、1年のうち7日間しか起きていられないという設定です。主人公とヒロインが結ばれるかどうかではなく、出会いを通じて何を考えて何を得たのかなど、その中で生きている人たちの人生を描くのが大事だと感じて書いています」と作者の想いを伝えました。

 


また「書くことは登山に似ています」と、作品の結末を頂上の景色、執筆活動は実際の山登り、推敲は登山道づくりなどに例えながら、「登り始めると想定していたルートと違う道をたどることもあり、違う景色になることもあります。読者の方に自分が歩んだルートを見てもらえるよう、編集する人と一緒に登りながら道をならし、ようやく山開きです」と説明しました。「作者は道を作ったにすぎず、山は登った人、読んだ人の山であり作品であり、頂上で見た景色はその人の体験として心に残ります。読書を通じて作品のなかで生きる人々に寄り添ってもらえたら作者として幸せですし、この先も折にふれて登場人物を思い出してもらえたらうれしいです」と締めくくりました。

 


参加した学生からは、プロットづくりや出版社との関わりなど次々と質問の手があがり、「作家の方とつながれる貴重な機会だった」「小説や物語をつくるということについて作家の方からお話を聞けて嬉しかった」といった感想が寄せられました。その後行われたサイン会も宇山さんの本を手にした多くの学生が並び、講演会は盛況のうちに終了しました。


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