吉田伊三郎氏は、明治11年(1878) 1月21日吉田伊助の長男として京都に生れた。明治36年(1903)東京帝国大学法科大学を卒業し、外交官及び領事官試験に合格した。ついで領事官補に任ぜられ、それから、外交官補として香港に駐在し、また大使館書記官として永年、英米各国に駐在した。大正10年(1921)大使館参事官として中国に駐在し、その間、山東問題の解決に尽力した。大正15年(1926)特命全権公使になって、スイスに駐在し、そして、国際聯盟会議には日本代表を勤めた。昭和 5年(1930)特命全権大使に親任せられて、トルコに駐在した。同 7年(1932) 1月、リットン調査団日本側参与員に任ぜられ、同年 9月に至る間、同調査団と共に満洲、中国各地を視察した。翌 8年(1933) 4月23日、55才、若くして惜しくも、この世を去られる。そして、正四位勲一等に叙せられた。
なお、吉田氏は、リットン調査団に接し、次の記録をまとめて発表した。
記録 2冊